アカマツに刻まれた戦争のあだ花
井の頭自然文化園に入ると、木の幹にハート型に彫られた跡があるアカマツに出会います。
よく見ると、樹皮が剥がされ、無数のV字型の傷がつけられています。

これは戦時中、飛行機の代替燃料にするための油の原料を採取した傷跡だそうです。
太平洋戦争末期、航空燃料が枯渇していた日本軍は、ドイツの文献をもとに松の根から取れる「松根油(しょうこんゆ)」を精製して航空用燃料を製造する計画を立てました。そして、全国に生産量が割り当てられ、国を挙げての「松根油緊急増産運動」が展開されました。
そのころのポスターがあります。

当時「200本の松根で1機の航空機が1時間飛べる」と言われていましたが、マツが大きくなるのに10年以上かかります。効率が悪すぎます。
松根油は、マツの伐根(切り株)を乾溜することで得られる油状液体です。松根油の製造には老齢樹を伐採しての古い伐根が適していました。これはクロマツも使われています。
これに対して、幹から取る作業がありました。これはアカマツにされたようです。
まず、マツの根元から少し上の部分の表面の樹皮を剥ぎとり、その剥ぎとった部分の中央部に一本溝をつけ、この溝を中心に下の方からだいたい45°の角度で溝を切りつけます。よく見ると、きれいに斜めの線が入っています。溝の深さは1㎜程入る程度と浅いです。これだけやって縦の線の下に釘などを打って、缶や竹筒などを取つけて置くと、次の日には20gぐらいはたまったようです。
2日目は前の溝の上の方約1センチの間隔に、切口をつけて、同じようにします。
このように松脂から精製したものを「松精油」というようです。この方法で採取するとアカマツを枯らすことはありません。

井の頭自然文化園の大きなアカマツの木の多くに、その油を取った痕跡が刻まれています。
マツの油は、たいまつを、松明と書くように照明用燃料として長い歴史を持っています。
航空ガソリンの原料としての利用が試みられたというのは、なんとも、さもしい発想です。
表示板がついた木は、高さ30メートルほどで、樹齢は150年になるということです。

よく見ると、樹皮が剥がされ、無数のV字型の傷がつけられています。

これは戦時中、飛行機の代替燃料にするための油の原料を採取した傷跡だそうです。
太平洋戦争末期、航空燃料が枯渇していた日本軍は、ドイツの文献をもとに松の根から取れる「松根油(しょうこんゆ)」を精製して航空用燃料を製造する計画を立てました。そして、全国に生産量が割り当てられ、国を挙げての「松根油緊急増産運動」が展開されました。
そのころのポスターがあります。

当時「200本の松根で1機の航空機が1時間飛べる」と言われていましたが、マツが大きくなるのに10年以上かかります。効率が悪すぎます。
松根油は、マツの伐根(切り株)を乾溜することで得られる油状液体です。松根油の製造には老齢樹を伐採しての古い伐根が適していました。これはクロマツも使われています。
これに対して、幹から取る作業がありました。これはアカマツにされたようです。
まず、マツの根元から少し上の部分の表面の樹皮を剥ぎとり、その剥ぎとった部分の中央部に一本溝をつけ、この溝を中心に下の方からだいたい45°の角度で溝を切りつけます。よく見ると、きれいに斜めの線が入っています。溝の深さは1㎜程入る程度と浅いです。これだけやって縦の線の下に釘などを打って、缶や竹筒などを取つけて置くと、次の日には20gぐらいはたまったようです。
2日目は前の溝の上の方約1センチの間隔に、切口をつけて、同じようにします。
このように松脂から精製したものを「松精油」というようです。この方法で採取するとアカマツを枯らすことはありません。

井の頭自然文化園の大きなアカマツの木の多くに、その油を取った痕跡が刻まれています。
マツの油は、たいまつを、松明と書くように照明用燃料として長い歴史を持っています。
航空ガソリンの原料としての利用が試みられたというのは、なんとも、さもしい発想です。
表示板がついた木は、高さ30メートルほどで、樹齢は150年になるということです。

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