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角筈、十二社の池跡から成願寺へ

 西新宿、昔の名前で言えば角筈の熊野神社から中野にある中野長者ゆかりの成願寺、そして淀橋へと歩く歴史散策、の実踏をしました。
 人類学者・中沢新一の『アースダイバー』(講談社)はこの地の「中野長者」の伝承から始まっています。結論から言えば、新宿の起源は<中野長者伝説にある>ということです。
 中沢新一さんは現在の東京の地図に「縄文地図」を重ねた地図を手に、東京の町を巡ります。
 「東京という都市は、『無意識』をこねあげてつくったこの社会にふさわしいなりたちをしている。目覚めている意識に『無意識』が侵入してくと、人は夢を見る。アースダイバー型の社会では、夢と現実が自由に行き来できるような回路が、いたるところにつくってあった。時間の系列を無視して、遠いいカッコと現代が同じ空間にいっしょに放置されている。スマートさの極限をいくような場所のすぐ裏手に、とてつもなくふり時代に心の底から引き上げられた泥の堆積が残してある。この不徹底でぶかっこうなところが、私たちの暮らすこの社会の魅力なのだ。」(プロローグ)
 こうした一部分だけ引くとよく分からないかもしれませんが、こうした着想に共感し、地図を手に町歩きをする人が増えました。
 地図を手に町を歩く代表格は、なんといってもタモリでしょう。
 NHKの「ブラタモリ」、今や歴史、町歩きが好きな人にとって、タモリの町歩きはたまらない魅力です。タモリと同じように腰をおろして、坂道の傾斜を測り、道道に記憶を探ります。
 これは、昨年10月の放送でしたが、「ブラタモリ」新宿の水編という番組があって、玉川上水などともに、十二社の池が写されました。
 写されたといっても、今十二社の池はなく、かつて(昭和43年まで)あった池の痕跡を訪ねる町歩きでした。
 十二社の池のあとにあるイチョウ
その中で紹介されたのは、家にはさまれたイチョウの大木でした。その木の横には「福助」というおそば屋があって、そのお店とイチョウが池に面している写真が紹介されていたと思います。
 このあたりの十二社通り側が、最後まで池が残っていたところだということで、確実にこのイチョウは、池の消えていく状況を見ていたわけです。
 その時から、建物にはさまってなんだか無理矢理残されているような、ちょっとかわいそう気味のイチョウの木が気になりました。
 十二社の池は享保年間(1716~35)ころから多数の茶屋が並び、江戸からの観光客でおおいに賑わっていきました。
 明治以降も大きな料亭ができ、花柳界として知られ、最盛期には料亭・茶屋約100軒、芸妓薬300名をようしました。またボート・屋形船・釣り・花火なども行われていました。しかし、この池も昭和43年(1968)に埋め立てられました。
 その池の消滅は、新宿西口にあった淀橋浄水場が昭和40年(1965)に東村山浄水場に移管したことに関連しています。
西口は高層ビルが林立する副都心に変貌し、角筈あたりも、どんどんビルが建っていったのです。
 中沢新一の『アースダイバー』を手に、ここらから淀橋あたりを丁寧に歩いてみたいと思っています。
 下は、中野長者の屋敷があったと伝えられる成願寺の入口です。枝垂れの梅がきれいでした。
成願寺の枝垂れ梅
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仏蘭西料理の北島亭で誕生祝い

 近所に、仏蘭西料理で有名な北島亭があります。表はあまりパッとしないお店なのですが、とにかく本格仏蘭西料理なので当然高いだろうというイメージがあって、入ったことがありませんでした。
 しかし、ここのオーナーシェフ北島さんは知っていました。
 1年前まで犬を飼っていて、毎朝散歩していたのですが、その時北島シェフによく出会いました、いつのころからか「おはようございます」と挨拶をするようになっていました。
 最初は北島シェフから声をかけてもらったのです。
 一度、お店に行ってみなくてはね、と言いながら、機会が持てませんでした。
 今日は連れ合いの誕生日、遠くへ行けないから、食事でも奮発しようと話し合って、「北島亭」に行くことにしました。夜より昼の方がいくらか安いかとお昼にしました。
 オープンの11時半に入って、右側の中央の席に案内されました。案内は若手のただ今修行中といった感じの若い方でした。
 席について料理の注文について説明を受けました。
北島亭 メニュー
 メニューはホワイトボードに書かれています。
 アラカルトはなしでコースのみのメニュー構成です。
 どれにしようか迷ったのですが、今日はフルコースでいこうということで、ランチでなく、お薦めのコースにしました。
 冷たい前菜1皿、暖かい前菜1皿、魚、肉の料理、そしてデザートでフルコースです。
 お値段は1人、10500円。
 それにまずは食前酒ということで、連れ合いはシャンペン。私は、呑めないこともあって、ジンジャエール。
 そして料理。アミューズはツブ貝でした。続いて、アンチョビの入ったクロワッサンが出てきました。暖かくて美味しい。
 冷前菜には、連れ合いは、北海道産生うにのコンソメゼリー寄せ。
北島亭 ずわいがにとアスパラのシャルロット風サラダ
 私は、ずわいがにとアスパラのシャルロット風サラダ。これは、北島亭オードブルの2番人気だそうです。アスパラで鮮やかな緑の柵ができてきれい。そしてこのアスパラの美味しさ。柵を崩して、ズワイガニ、アボガドなどが出てきて、格別でした。
 温前菜は、真鱈の白子のムニエル・トマトソース添え。
 そして、魚料理は、銚子産銀目鯛のボアレグリーンアスパラ添え。
 肉料理は和牛肉の赤ワイン煮、ハチミツ入り。でした。
 途中で感じ、後ではっきり知ったのですが、北島亭は量の多さが、尋常じゃないということで有名なのだそうです。本当はもうこの時は、お腹がいっぱい。
 そういえば、最初に少し量を調整しましょうか、と言われたのですが、ついついせっかくだからという気持ちが働いて、「いつもたくさん食べるので良いです」と断ったのです。
 少しまいりました。
 ところが、デザートがまたすごい。
 エスプレッソを飲みながら、プリンとブラマンジェをそれぞれ頂いただいたのですが、その後に、10種類くらいのお菓子が皿に載って出てきました。
北島亭 デザートのお菓子
 結局、このお菓子、おみやげに頂いて帰りました。おみやげは他にイヨカンもいただいたのですが。
 とにかく全体にとても美味しかったです。味はよくて、量も多くて、大満足です。
 合計25、960円。贅沢をしましたが、誕生日です。
 もっと早くこのお店に来ておくべきだったと思いました。
 北島シェフは、食事の途中に一度出てきて、私たちのことが分かったのか、犬のことを聞いてくれました。亡くなったと話すと「また飼えば良いのに、歩くことは大事ですよ」と言ってくれました。
 最後も顔を出して挨拶をしてくれたのですが、私がちょっと急いでいて、おみやげを包むが遅れていることを叱りました。この叱るというのは、途中、叱っている声が奥から数回、聞こえていました。なるほど厳しい人なのだと思いました。
 「北島亭」は「フレンチレストラン」ではなく「料理工房」で、親方を中心とした職人集団だ、という人がいましたが、なるほどそうかもしれません。
 でも気持ちはとても優しいいい人なのでしょう。単に朝会うだけの私たちをきちんと覚えていてくださいました。

椿

 昨年の暮れから、白や赤の花を咲かせていたサザンカ。ここで、ツバキが花を咲かせてきました。
椿

 ツバキは、春を告げる花です。
 今年の正月、初卯の時に亀戸天神社へ行って、境内の東の方位(卯の方位)にある御嶽神社の「卯槌」をいただいて来ました。この「卯槌」には梅が描かれていましたが、上代のころは、ツバキが描かれていました。春の到来の喜びをツバキで表現していたのでしょう。梅も春到来の花ですが。
 ツバキは、木偏に春です。春の花の代表として、「椿」という字を与えたのでしょう。ちなみに、夏は「榎(エノキ)」で、冬は「柊(ヒイラギ)」です。秋は少しピンと来ません。「ヒサギ(久木)」ということのようです。
 この字、日本で作成したつもりだったようですが、中国に「椿」の字はありました。中国では、チンと呼んで「センダン」のことです。
 もうひとつの意味としては、「長く久しい」という意味があるようです。長命のことを「椿寿」というそうです。
 中国での椿は「山茶」と書きます。
 曲亭馬琴(滝沢馬琴)作に「椿説弓張月」がありますが、この椿説は、珍説(変わった意見。また、とっぴでこっけいな説)の当て字だという説明が見られますが、そうではなくて、中国の「椿」の意味をふまえて、大長編小説といったような意味で使ったのではないかと思います。
 もうひとつ、椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)の違いをよく言われます。
 見かけでわかりやすいのは、花の散った姿です。
 山茶花は花びらがバラバラに散ります。椿は萼と雌しべだけを木に残して丸ごとぽつりと落ちます。
 木の下を見て、その花びらの姿から判断するのが一番分かりやすいです。
 これから、椿の花が咲き乱れるでしょう。もうすぐ、本格的な春です。
プロフィール

作州浪人

Author:作州浪人
「隠居」と言った方が良い境遇にありますが、心の在り方としては「素浪人」でありたいと思っています。なお作州浪人はあの宮本武蔵にちなんでいます。郷里が近いのです。
 またバックに使わせてもらっている手拭いの模様、「鎌」に「輪っか」にひらがなの「ぬ」。「かまわぬ」といかにも江戸人の気っ風が感じられ、好きです。 

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