王子七滝 絵図関連
王子・飛鳥山周辺は、江戸時代中期、徳川吉宗により行楽地として開発されました。
飛鳥山と言えば、桜が有名ですが、飛鳥山の花見を筆頭に、音無川流域の紅葉、台地からの見晴らしもよく、風光明媚な王子は月見や雪見も楽しめました。
加えて有名寺社も多く、なかでも王子の地名の由来となった「王子権現(現王子神社)」や、今回、初午に訪れた関東稲荷総社の格式をもつ「王子稲荷」があります。
そして、有名なのが、俗に「王子七滝」と呼ばれた滝でした。
音無川(石神井川・滝野川)を中心に武蔵野台地の崖線には滝があり、滝が多く、音無川に滔々と流れ落ち水量も豊富でした。
そうして、音無川の流域には、行楽客目当ての茶屋や料理屋も数多くあり、八代将軍吉宗が飛鳥山を整備した頃には、一大観光地になったのです。
この七滝うち、現在唯一残るのが、名主の滝。滝周辺は名主の滝公園として整備されています。
絵図で、かつての王子の滝の様子を観てみましょう。
『江戸名所図会』巻之五 玉衡之部

泉流の滝ともいふ。正受院の本堂の後ろ坂路(はんろ)を巡り下ること数十歩にして飛泉あり。滔々(とうとう)として峭壁に趨(はし) る。この境(ち)はつねに蒼樹(そうじゅ)蓊鬱(おううつ)として白日ささへ、青苔(せいたい)露なめらかにして、人跡稀なり。
『名所江戸百景 王子不動之滝』

名所江戸百景 王子不動之滝 大判竪 歌川広重 安政4年(1857)
不動の滝は溪谷の窪みにあり、鬱蒼と茂った樹木に囲まれています。
しかしこの滝は、昭和33年(1958)の狩野川台風をきっかけに行なわれた石神井川の直線化と護岸工事によって、すっかり姿を消しました。
王子稲荷の東側にあった石神井川の堰
『名所江戸百景 王子音無川堰埭 世俗大滝と唱』
![『名所江戸百景 王子音無川堰埭 世俗大滝と唱]](https://blog-imgs-124.fc2.com/u/z/o/uzo800/20190211103655b37.jpg)
堰を越えて落ちてくる水を世俗では大滝と呼んでいたというわけです。春の桜のころですが、よくみると何人かの人が組になって川に入っています。まだ水浴するには寒いと思うのですが、あるいは何らかの方法で魚を獲っているのでしょうか。
歌川広重(初代) 『絵本江戸土産 -王子の滝 其二 同所滝岩屋の弁天 十條の里女滝男滝』

滝岩屋の弁天は、金剛寺裏手にあったという弁天の滝。
崖下にある洞窟(現在は石神井川護岸の裏側)に祀られていた弁財天が岩屋弁天です。

江戸時代から滝遊びや紅葉の見物さらに岩屋弁天の参拝客で賑わったと言われます。
飛鳥山と言えば、桜が有名ですが、飛鳥山の花見を筆頭に、音無川流域の紅葉、台地からの見晴らしもよく、風光明媚な王子は月見や雪見も楽しめました。
加えて有名寺社も多く、なかでも王子の地名の由来となった「王子権現(現王子神社)」や、今回、初午に訪れた関東稲荷総社の格式をもつ「王子稲荷」があります。
そして、有名なのが、俗に「王子七滝」と呼ばれた滝でした。
音無川(石神井川・滝野川)を中心に武蔵野台地の崖線には滝があり、滝が多く、音無川に滔々と流れ落ち水量も豊富でした。
そうして、音無川の流域には、行楽客目当ての茶屋や料理屋も数多くあり、八代将軍吉宗が飛鳥山を整備した頃には、一大観光地になったのです。
この七滝うち、現在唯一残るのが、名主の滝。滝周辺は名主の滝公園として整備されています。
絵図で、かつての王子の滝の様子を観てみましょう。
『江戸名所図会』巻之五 玉衡之部

泉流の滝ともいふ。正受院の本堂の後ろ坂路(はんろ)を巡り下ること数十歩にして飛泉あり。滔々(とうとう)として峭壁に趨(はし) る。この境(ち)はつねに蒼樹(そうじゅ)蓊鬱(おううつ)として白日ささへ、青苔(せいたい)露なめらかにして、人跡稀なり。
『名所江戸百景 王子不動之滝』

名所江戸百景 王子不動之滝 大判竪 歌川広重 安政4年(1857)
不動の滝は溪谷の窪みにあり、鬱蒼と茂った樹木に囲まれています。
しかしこの滝は、昭和33年(1958)の狩野川台風をきっかけに行なわれた石神井川の直線化と護岸工事によって、すっかり姿を消しました。
王子稲荷の東側にあった石神井川の堰
『名所江戸百景 王子音無川堰埭 世俗大滝と唱』
![『名所江戸百景 王子音無川堰埭 世俗大滝と唱]](https://blog-imgs-124.fc2.com/u/z/o/uzo800/20190211103655b37.jpg)
堰を越えて落ちてくる水を世俗では大滝と呼んでいたというわけです。春の桜のころですが、よくみると何人かの人が組になって川に入っています。まだ水浴するには寒いと思うのですが、あるいは何らかの方法で魚を獲っているのでしょうか。
歌川広重(初代) 『絵本江戸土産 -王子の滝 其二 同所滝岩屋の弁天 十條の里女滝男滝』

滝岩屋の弁天は、金剛寺裏手にあったという弁天の滝。
崖下にある洞窟(現在は石神井川護岸の裏側)に祀られていた弁財天が岩屋弁天です。

江戸時代から滝遊びや紅葉の見物さらに岩屋弁天の参拝客で賑わったと言われます。
スポンサーサイト